日毎春が近づいてくる

朝、私がホームで電車を待つ場所は、眼の高さ程の細いナンキンハゼの木の前です。伊勢原ではチャペルの入り口にあり、チャペルが建つ前のテニスコートの頃から植わっていました。周りが若葉になる頃やっと芽吹く春の目覚めの遅い樹です。
毎朝「まだね」とちょっと声をかけて電車に乗ります。学校に向うスクールバスが尾根幹線を曲がる時、分離帯に西村先生が植えたパンジーの花壇が見えます。寒さに負けていたパンジーも日差しが明るくなって首が長くなって来ました。
バスを降りてから、ぐるっと庭を回って「今日の春具合」を見て歩くのが仕事の前の楽しみです。
夜、帰って来たら花瓶に生けた沈丁花の花が開いて、とても香りの良い部屋になっていました。心のとげがふ～と抜けてゆく優しい香りです。
毎日が優しい気持ちで過ごせるといいのですが。