kanon_fuurinsouのブログ

信子さんのブログです

風のリース

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夏の暑い盛り、8月3日父は92歳でパナマ帽とステッキを持って旅立ちました。
多くの同世代の方と同様、青春時代を戦争で、そして戦後の日本経済を支えた一人でした。若い時の療養と何回もの手術で父の体は健康とは言えませんでした。気難しい父でしたが家庭では気長に日曜大工で子供のままごとのタンスから兄の部屋の増築まで手がけました。
 晩年は母を看取り、姉夫婦、訪問医、ヘルパーの皆様に助けられての生活でした。亡くなる数日前には医者に「最後は自宅で、治療は一切必要ない」と断言しておりました。最後の夜「安心だからベッドの下で寝てくれ」と頼まれ、体の向きを変えるために握った父の手は、自分の命を支えるためだけに使われるようになった美しい手でした。「すまんな」と言われた一言は、初めてもらう父からの感謝の言葉でした。「これから寝るから」との言葉を最後に、日が昇ったころ静かに美しい顔で旅立ちました。支え、祈って下さった方々、すべての方々に感謝申し上げます。
私的なことで申し訳ありませんでした。
ご病気の方の一日も早くのご回復と
介護しておられる方のご健康をお祈り申し上げます。